大西 正太 氏

株式会社メルカリ
マーケティングチーム
アクイジションマーケティング


大西氏にインタビュー

大西 正太氏は、株式会社メルカリでマーケティングチームに所属し、アクイジションマーケティングを務めています。
2020年に株式会社メルカリに入社する前は、グルーポン・ジャパン、ナイキジャパン、LINEの3社にて、デジタルマーケティングの戦略策定および実行やデジタル領域のプロモーション、事業開発等を担当していました。


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ご自身がご担当されているアプリについて簡単にご説明ください。

スマートフォンから誰でも簡単に売り買いが楽しめるフリマアプリ「メルカリ」を担当しています。
メルカリは現在、MAU(月間アクティブユーザー)が約1900万(2021年6月期第三四半期決算時点)、GMV 6,259億円(2020年6月期通期決算時点)を記録し、日本最大のフリマアプリとなっています。

アプリマーケティングに携わったきっかけを教えてください。

メルカリ入社前は、3社でデジタルマーケティングや事業開発を経験してきました。1社目のグルーポン・ジャパン在籍時は、デジタルマーケティングにおけるオンライン広告の運用、サイトやアプリのプロダクトマネージャーを担当し、 2社目のナイキジャパンでは、主にブランディングに係るマーケティングの領域で、マス向けとデジタルのプロモーションを担当しました。その後に入社したLINEでは、担当プロダクトのマーケティング領域の責任者として、全体の戦略設計のほか、実際の施策から実行までを担当していました。自身のスキルセットとしてオフライン領域での経験を強化したいと考え、現在メルカリでオフライン・デジタルを融合したマーケティングに取り組んでいます。

ご自身のキャリアを考える上でどのような信念・精神を持っていらっしゃいますか?

キャリアのテーマは「エンパワーメント」。どのようなサービス、プロダクトのマーケティングに携わるかは大切にしている信念です。学生時代に携帯キャリアの広告に惹かれたことがきっかけで広告に携わりたいという思いからマーケターを志ました。学生時代は、世の中のクリエイターの方々がもっと注目されるきっかけを作りたいという思いから友人とデザインTシャツの共同購入サービスを事業として立ち上げました。その経験がマーケターとしてのキャリアの原点となっていると思います。

アプリマーケティングにおいてお好きな点を教えてください。

マーケティングにおいて、新規ユーザーの獲得やベンチマークにしている指標を達成することはもちろん必要になりますが、その先にあるユーザーの反応や、ユーザーの生の声が垣間見えたときに、大きな喜びや、やり甲斐を感じます。例えば、ずっと探していた・欲しかったものがメルカリで見つかった、うっかりなくしてしまった大切なものと同じものをメルカリで見つけられて気持ちが救われた、といったようなユーザーの生の声をSNS上で見かけた際は嬉しい気持ちになります。また、コンビニでメルカリの配送手続きをしている方を見かけたときでも、すごく有難い気持ちになったりします。
そういった面で、自分が関わり、提供しているものを使ってくれているユーザーの顔や、反応も含めてリアルで利用している方々の体験が垣間見られるという部分は、大きなモチベーションにもつながっています。

ユーザーの獲得・リテンション向上の施策で重視しているポイントは何ですか?

商品の購入だけでなく、出品までを行ってくれるエンゲージ度の高い、アクティブなユーザーを増やすことを目指していますが、メルカリでは、ユーザー1人1人を大切にし、向き合っています。
マーケティングとしては、ユーザーのオンボーディングを重要視しています。例えば、バーコードの読み取りによる出品や、手軽な発送を可能にする発送用シールといった機能・プロダクト面の改善をはじめ、アプリ内では実現が難しいハイタッチなコミュニケーションを実現するOMO施策として、マルイ内で展開しているメルカリを体験しながら学べるリアル店舗「メルカリステーション」や、メルカリの利用方法が講義形式で容易に学べる「メルカリ教室」を、実店舗・オンラインの両軸で展開しています。
また、同じアプリ内でメルカリ・メルペイを両方使っていただきながらシームレスな体験を提供していきたいという思いもあります。メルカリ内の売上をメルペイでの支払いに充て、メルカリで商品の購入をしやすくする後払いの仕組みなどを提供し、サービス間の連携を強化することでそれぞれの利用推進を図っています。

アプリのインストール広告またはリエンゲージメント広告で効果に大きな影響を与えた施策を教えてください。

アプリやオンラインの接点のみでは、ユーザーとの直接的な関わりやコミュニケーションを持ち信頼関係を築くことが難しい局面があります。メルカリではそういったデジタルの弱点を補いつつ、ユーザーの“育成・定着”を図るべく、新規ユーザー獲得や、出品意向を持つユーザーに向けたオフライン領域でのユーザー・オンボーディング施策を推進しています。
実際のところ、メルカリ教室などオフラインを通じて獲得したユーザーは、オンライン広告経由で獲得したユーザーよりもエンゲージメント(=出品・購入・メルペイユーザーへの転換率)が高く、数値面でも大きな成果につながっています。

マーケターとしてどのように情報収集をしていますか?

マーケターとして常日頃意識しているのは、世の中に出ているサービスやプロダクトが、どういった想いの元、どういったターゲットに対して、どういった狙いで出されているのか、といったことを逆算して考えることを意識しています。
普段の生活の中で、例えば、コンビニや家電量販店などリアルな店舗においてのトレンド商品や、店頭で推されている商品をチェックして、そこに対する仮説を持ちながら、実際のユーザーの反応をSNS等で確認して答え合わせをしていくことを行うことで、新たなユーザー・コミュニケーションへのヒントにしています。

アプリマーケティングの成功の秘訣は何だとお考えですか?

CRMと連携しながら、ユーザーをいかに、アクティブなユーザーに転換させていくかといった部分までを見ていくことが重要であると思います。
単純に新規の獲得数だけで媒体のパフォーマンスを図ることも可能ですが、事業全体で考えた場合、ユーザーの転換率をしっかりと追いながらも、どの経路の効果が高いのかといった部分まで分解して検証していく必要があります。社内では、それぞれの役割を担うチームは別々に存在するものの、各所が連携して進めており、普段の広告運用においても転換率までを見つつ実施しています。

アプリマーケティングにおいて次の大きな目標を教えてください。

アプリマーケティングを行っていく上で、チャネルとしての可能性があるものや、まだチャネル化されていないものもタッチポイントとして捉え、そこでの新たなコミュニケーションを創造すること取り組んで行きたいと考えています。一般的にアプリマーケティングと言うと、オンライン広告が主軸となる印象が強いですが、そのチャネルは、もっと広い視野で捉えるべきだと思います。
外部パートナーとの連携等も必要にはなりますが、例えば、コンビニに置かれているメルカリ出品用の資材やその陳列棚も、それ自体を1つのメディアとしてとらえれば、新たなコミュニケーションを生み出す場所になり得ます。
メルカリは「Go Bold (大胆にやろう)」を大切にしている会社なので、そういった部分の考え方も踏まえて、マーケティングと繋ぎこめるような可能性を持つ、新たなチャネル開発は積極的にトライしていきたいと思います。

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