戎 氏にインタビュー
戎 氏のキャリアとバックグラウンドについて
2014年4月にインターネット広告代理店のアドウェイズに新卒入社。5年間Web及び非ゲームアプリの広告企画営業に従事。2019年3月にHJホールディングスに入社、マーケティング部に所属。現在はアプリプロモーション、CRM関連業務を中心に担当しています。
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HJホールディングス株式会社について
HJホールディングス株式会社は、動画配信サービスHulu(フールー)を運営。2011年に日本でのサービスを開始し、2014年から日本テレビグループに加わりました。映画、ドラマ、アニメ、バラエティ、スポーツ、音楽など国内外の100,000本以上の豊富なコンテンツを配信する動画配信サービスのリーディングカンパニーです。
アプリマーケティングを担当するようになったきっかけをお聞かせください。
当時のHuluはWebで登録してアプリで閲覧する仕組みはありましたが、アプリでの会員登録やアプリ内決済の仕組みはまだありませんでした。そのため広告はウェブ中心となっており、アプリマーケティングはほぼ未着手という状況でした。
2019年初めにアプリ内決済が導入されたタイミングで私がHuluに入社し、本格的にアプリマーケティングに着手しました。
もともと、前職の代理店時代には、エンタメ、旅行、教育など非ゲームのほぼ全ジャンルを扱うチームに所属しており、多様なジャンルのアプリマーケティングを担当していたこともあり、Huluに来てからもあまり戸惑うことはなく業務を進められました。
現職で得られた経験や、成長を実感できたポイントなどあればお聞かせください。
アプリ内決済の仕組みが導入されたタイミングでの転職だったので、アプリマーケティングの立ち上げに近い経験ができたのは良い経験になりました。
当時まだASOにも取り組んでいなかったので、スクリーンショットやメタディスクリプションの改善、良い評価を得るための工夫などゼロベースで行いました。わからないことがあれば他のマーケターの方に聞いたりしつつ、自分で学びながら、進めて来ました。
アプリプロモーションの計測基盤も整っていなかったので、まずはデータ取得といった基盤整理から着手し、視聴履歴に基づいたアプローチなどに力を入れておりました。広告に関しては、色んな媒体やクリエイティブを試して、勝ちパターンを見つけ、媒体別のアトリビューション特徴を加味した運用方法を取り入れました。現在は広告プライバシー環境の変化からインクリメンタリティなど新たな評価視点も導入し運用しております。
動画ストリーミングサービスは競合がひしめく状況だと思います。そのなかで、Huluとしてのポジションや戦略についてお聞かせください。
アンケートなどの調査を通して、Huluは「親しみを持てる」というイメージを持って頂いている方が多いことがわかりました。どうすればもっと「親しみを持てる」と思って頂けるかという点を追求して、コンテンツの種類やプロモーションでの訴求の仕方なども統一する方針で進めています。
また、日本テレビグループのコンテンツ力の恩恵が非常に大きい一方で、ユーザーからすると、Huluは日本テレビのイメージが強く、日本テレビの作品しか見られないというイメージを持たれている方もいます。そこに対しては、多様な作品が観られるという認知を高めていかなくてはいけないという課題感もあります。
これまでに直面した課題やチャレンジングだと感じたことについて、お聞かせください。
Huluは地上波TVやニュースなどの影響を特に受けやすく、ユーザーニーズの移り変わりが他ジャンルに比べると速いと思います。ニーズをキャッチアップして、クリエイティブを作成し、準備をして広告を配信する頃にはもうニーズは過ぎ去っている事も多々あり、スピードが非常に重要だと実感させられました。そういった事もあり、アプリ広告は代理店運用から全てインハウス化し、スピード感を持ってニーズを捉えて適切にアプローチをするということを心がけています。
マーケターとしてのキャリアの展望についてお聞かせください。
代理店時代から広告を自分の強みとして取り組んで来ましたが、知見が広告に偏っていると感じており、自分の取り組む領域を広げたいと思っていました。そのため、ASOに領域を広げ、スクリーショットをはじめとしたストア情報や検索順位の改善などアプリストア最適化の業務に取り掛かることが出来たのはよい経験になりました。
さらに、1年程前からHuluユーザー向けのメール配信業務にも携わるようになりました。元々はおすすめ作品の紹介や、作品開始のお知らせなどのメールは都度手動で配信する手法しかなかったのですが、ユーザー一人一人にあった密なコミュニケーションを実現したいと思い、レコメンド機能を搭載したMA化を半年程前から着手して進めているところです。
このようなCRM領域においては、自分にとって新しい領域なのでもっとスキルを磨いていきたいと思っています。これからMAを実装して、いろいろなパターンを試してみる中で、自分の知見も広がると思いますし、Huluとしても、ユーザーのリテンションに繋がる取り組みだと考えています。